風土記八十八選
第五選


早春の房総

房総では2月中旬から、まだ冷たい潮風をうけながらも路地栽培の花が咲きそろう。

ここ房総の千倉では、一時の花畑は本格的な春には田んぼに変わる。
咲き終った花の茎や葉を、そのまま土にすき込み、地力を与える。

そして、千倉の女衆は、花栽培の次は、この場所で稲作に取り組み、
目前に広がる海にもぐり、海女にもなるという。

ストックや金魚草やキンセンカの花は、
その可愛らしい咲き姿の奥に、栽培農家の力強さを見せつける。

日焼けした顔は、1年中まぶしく輝いている。

「頑張りますね」と言うと、
「いやいや、これが私たちの暮らしの楽しみ方」と、サラリと言ってのける。

観光客の多くは、
千倉の女衆が、花のあとに稲をつくり、
そして海女にもなって 、ひたむきに働き続けていることを、
あまり知らない。


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●第一選・四万十川(PHOTO:約75KB)●第二選・枯木又(PHOTO:約55KB)●第三選・はざかけ(PHOTO:約65KB)●第四選・紅葉の頃(PHOTO:約140KB)●第五選・早春の房総(PHOTO:約75KB)●第六選・田・春夏秋冬(PHOTO:約120KB)●第七選・牧歌の中で(PHOTO:約55KB)●第八選・夕焼けの丘(PHOTO:約46KB)●第九選・高原の晩夏(PHOTO:約167KB)●第十選・内海・周防灘(PHOTO:約68KB)

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