食養をやっているが体調が良くならないという人がいます。いろいろ原因はあるでしょうがその一つに噛むことが出来てない場合があります。噛むことは何故必要なのか見てみましょう。

噛むことには
1.暴飲暴食を防ぐ
2.内臓の働きを助ける
3.ガンを予防する
4.大脳の働きを活発にする
5.精神が安定する
6.良い歯を作る
等の驚くほどの効能があります。

1.暴飲暴食を防ぐ

 食べ過ぎは、必要以上の栄養を体に入れるわけですから、血液は汚れ、余分なものが病気をつくります。この食べ過ぎを防ぐためには、よく噛むこと。噛むと咀嚼筋を使うので自然と満腹感が湧いてきて暴飲暴食が少なくなるのです。

2.内臓の働きを助ける

 よく噛むと、耳下腺、舌下腺、顎下腺から三種類の消化酵素が出ます。唾液の中には、パロチンというホルモンあり、細胞に活力をつけ内臓の働きを助けます。これは若返りホルモンとも言われています。アルカリ性で血液を浄化する働きもあります。
 唾液は食物を消化し、細胞を元気にし、悪いものは排除し、栄養を吸収する働きを強くします。噛まないで飲み込むと、消化も不十分で栄養が吸収されません。鍋の中で柔らかくするより、口の中で噛む方が栄養の吸収はいいのです。又、消化酵素以外に病気を防ぐ免疫物質も唾液は含んでいます。

3.ガンを予防する

 噛むことに専念してガンや病気が治ったという話を聞きます。
 現在、日本の死亡率のトップを占めるのはガンです。その原因ははっきり究明されていませんが、いろんな発ガン物質と呼ばれているものは分かって来ています。その発ガン物質の毒性に唾液を加えるとほとんど消えてしまったという実験結果を出した研究チームがあります。唾液の中の約15種類の酵素郡が毒性を消す働きをしているらしいとわかって来たのです。

4.大脳の働きを活発にする

 噛むことは、知能の発達と深い関係があることもわかってきています。よく噛むようになって記憶力がよくなった受験生の話もあるし、ある九州の小学校でよく噛むクラスと噛まないクラスとに分けて知能テストの結果を調べたら、噛むクラスのほうが上だったという結果もあります。
 噛むことがポンプの役目をして、頭のなかの血液を酸素の多いきれいなものに保っていると想像されます。大脳神経細胞は血液によって養われているのですから、噛むことで血液が浄化されると頭もよく働くということですよね。

5..精神が安定する

 ぬり絵を枠からはみ出してしか塗れない子供が噛むことを続けることで枠に落ち着いて来たという例もあるように、噛むことは、精神を安定させ、安らぎが生まれ、ものの見方、考え方、判断力が高まり、意志力が強まるのです。
 噛むと振動が起きます。この振動が顎や歯や脳、そして体全体が刺激を受け丈夫になります。例えば金魚運動などが体全体を整えてくれるように、噛む振動が、ひいてはからだ全体を整えているようです。
 体全体が整うことで、精神も安定し、やすらぎを感じられるようになるのでしょう。つまり噛むことは宇宙まで繋がっている、ということなのです。カムとは神(宇宙・自然)に向う(帰る)という源言語かも知れませんね。

6.良い歯を作る

 よく噛みましょう、といっても歯が丈夫でなくては噛めません。その歯は乳歯のある子供の頃、噛むことによって、乳歯の下の永久歯が圧力を受け、非常に緻密ないい歯となるのです。噛まなかったら、永久歯が出てからも虫歯になりやすいし、歯の根の張りぐあいが弱くなって、年がいったら抜けやすい歯になってしまうのです。
 人間の成長過程で噛むことの前は、お母さんのおっぱいを吸うことです。しっかりした歯を作ることは赤ちゃんのときの母親のお乳のやり方にあります。ほ乳ビンの吸い口の大きいのを使ったり、寝かせてのませると顎や歯並びが悪くなるのです。出にくい母乳を吸うことで下あごを強くし、顎を作っていくのです。それがやがては歯並びの違いとなって大きく出てくるのです。
 噛むことのもとのもとは、こうした赤ちゃんのときのお乳のやり方にあるので、お母さん方の責任は大きいですね。

人間の歯は、臼歯(穀類を噛む歯)20本、門歯(野菜を噛み切る歯)8本、犬歯(肉などを噛み切る歯)4本から出来ています。食べ物もこれらの歯に比例して取ることが自然に添うことかも知れませんね。

宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島の戦いは有名ですよね。あの宮本武蔵は干し飯をいつも背負っていたようです。干し飯は水に浸してよくよく噛まないと食べられません。あのジャンプ力もこの干し飯をよく噛んだことと無関係ではなさそうです。小次郎は毎日、白い御飯とご馳走を食べていたのかも知れませんね。

 噛むことが良いと分かっていてもなかなか持続しませんよね。イヤイヤ噛んだり、仕方が無いからという気持で噛んでも身体は知っているので病気は治りにくいです。
 現代は加工食品が大量生産され、噛まなくてもよい食品が氾濫しています。時代に伴い子供達にも噛む習慣がなくなってきたようです。昔の母親は「よく噛みなさい」と言っていたけど、今は「早く食べなさい」という母親が多い気がします。これでは子供達の歯が弱くなってくるのも当たり前です。歯が弱いと噛むことがおろそかになります。ガンの予備軍を作っていることにもなりかねません。
 今からでも遅くありません。食べ物に感謝して喜んで、また有難く噛めるようになれるといいですね。噛むのに時間がかかっても一生において病気を予防してくれ、長生きに繋がることを考えれば1日の噛む時間を大切にしたいものです。


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