◆事務局コラム◆

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閑中閑の日常【其の四/パジェロな話】

 2008年7月末、16年目を迎える愛車を迷うことなく車検に出して引き続き乗ることにした。走行距離25万キロ越えの車は、かの、大欠陥や数多くのクレーム隠しで一躍名を馳せた「三菱(ケチビシ)」自動車がつくりあげたもので、一時代を風靡したこともある4WDパジェロ・インタークーラー付きターボディーゼル2800寒冷地特別仕様車だ。
 インタークーラー付きターボ搭載というのは格好よく聞こえるが、実装の軽量化されたディーゼルエンジンそのものにネバリ強さは備わっているものの、重い車を俊敏かつ軽やかに走らせるには、情けないほどパワーが不足しているので、その欠点をターボチャージャーで補うという小手先の装備でもある。ディーゼルエンジン自体が強靭で優秀ならばこれらの装備は基本的には不要だ。
 寒冷地特別仕様というのも、何やら別格な響きがするが、走るだけで路面の氷や雪が自然に溶けて南国気分になる夢のような仕様ではなく、厳寒でのエンジン始動をスムーズにするために普通の車よりバッテリーを1本多く、エンジンルームに2本常設しているというだけだ。しかも、2本のうち1本でもバッテリーがダメになれば、2本同時に新品に積み替える仕組になっているのだから、どう考えてもワリに合わない仕様でもある。

 その愛車で体験したことのある、他社製でもどの車でもよくあるトラブル以外の痛手と言えば、19万キロ走行した頃にディーゼルエンジンが突然のオーバーヒートでいとも簡単にぶっ壊れてしまったことだ。
 エンジンすべてを積み替えるという最悪の事態には至らなかったものの、ゆうに3週間かかる大修理のオーバーホールに結構、出費もかさんで痛い目にあった。しかも、住まい近くでの破損ならいいのだが、住まいから1000キロ以上離れた場所での突然の事態なので、途方にもくれた。

 パジェロ歴は長く、20年以上になる。エンジンが一度ぶっ壊れた現在のパジェロは2台目だ。最初の板バネ形式のフレームも頑丈な車体、しかしながら突然、ファンベルトが頻繁にチギレ飛んだり、高速道の長い登坂道ではアクセルをベタ踏みしても荷物満載の10トントラックよりもスピードが落ちていく知る人ぞ知るいわく因縁付きの四角い基本型のパジェロは、6年程度で走行距離が15万キロを越えてしまったので下取りに出し、フルモデルチェンジ後の改良タイプで全体的なデザインの完成度が高い、やや丸みを帯びた型式のものに買い換えた。
 ファンベルトは対策を講じてダブルになっていたが、それでも突然チギレ飛ぶ懸念は払拭されないので一年点検毎に取り替えるのが習慣化した。一度、取り替えるのを忘れていたら、やはり突然チギレ飛んだ。

 いろいろ問題の多いパジェロだが、欠点ばかりではない。装備されたドルビーシステムのカーオディオは、定評のある三菱ダイヤトーンスピーカーが迫力のある切れ味のいい音色を響かせてくれる。エアコン設備も極めて快適だ。高度・傾斜・方位&内外気温が一目で分かる内装の3連メーターも気がきいている。ABSを外してオプション装備した四輪直結のセンター・デフロックも、普段は無用の長物だが、ぬかるみにはまり込んでスタックから脱出するには、とても威力を発揮し、もしもの時には強い味方となる。燃料タンクも92リットルと容量が大きいので給油頻度が少なくて済む。とはいえ2トンを越える車重が影響してか、トルクを利用してうまく走っても満タンで700キロ強程度しか伸びないのではあるが。

 勿論、それらの快適さよりも基本的なエンジン廻りや足廻りなどの頑丈さや優秀さが十分に担保されているほうがいいに決まっている。しかし、程ほどの手抜きを交えて開発する姿勢を色濃く反映している三菱車ゆえに、すべては、推して知るべし、である。
 欠点を抱えながらも音色と空調は文句のつけようがないこの妥協の産物&欠陥の宝庫『パジェロ』で40万キロ以上を走り込んだことになる。

 その走行距離の内、15万キロ以上は山中の未舗装の荒れた道なき道、いわゆる「林道」それもダートでヘビーなハードコースである。
 走り方はアクセルを思いっきり強く踏む込み、ただただ無心になって林道状況に集中してノンストップで車体丸ごと泥んこになって走り抜くというもので、国内の北から南まで相当数の林道を走破した。

 無心になって走る、と言っても「坐禅」などで「無心」について禅師様が問答するが如きごたいそうなものではない。いとも簡単に理屈抜きに、意図せず無心になる。
 ダートに突入してアクセルを強く踏み込む。そして、路面状況に集中し、車体丸ごと泥んこになって走り抜く。ただそれだけだ。
 すると、まず最初に、ややこしい仕事がらみの日常が、アッサリと、瞬時に飛んで無くなる。次は、ぐちゃぐちゃとした面倒な人間関係が、一気に飛び去る。さらには、家族のことなどがポッと消える。そして、自分さえもが無くなり、一切すべてが、サッパリと消えて、失せる。
 しかも、飛んで無くなったり、飛び去ったり、消えて無くなるのが、林道の奥に進んで行けば行くほどに、リアルタイムで自覚できる。その一つひとつにサヨ〜ナラ〜と思わず声をかけたくなるくらいである。

 それらが身体からサッパリ消えて無くなると、そこに存在するのは、えぐられた路面をしっかりと見据えながらハードなダート林道をエンジン全開で走り抜く、いま・今・いまの行為そのものだけである。カラッポのスッカラカ〜ンだ。
 これだから病みつきになる。この「カラッポのスッカラカ〜ン」を体験すれば癖になってやめられなくなる。時にはヨダレが出そうになるほどの快感で、ニコニコニヤニヤ、満面が笑みだらけになってゆくが、気がふれたのではない。これが林道フリークにスッポリはまり込んだ時の、正真正銘、証しの表情である。

 1台目の板バネ車の時は頑丈ではあるが足の伸びが悪いので凹凸を乗り越える際に車が「亀の子」状態になったし、買い換えた2台目は乗り心地がいいコイルサスペンションになっていたが、その中途半端な伸びや軟弱なフットワークのおかげで谷底に滑り落ちそうにもなった。勿論、一般的には走行困難な場所を好んで進むのだから、立ち往生するのもやむを得ないところではある。

 そんなクレィージな林道フリークからすっかり足を洗ったのは、事故に起因する。

 秋が深まったある日、林道仲間に呼びかけてパジェロ4台を引き連れ、ダート林道走行だけでも約200キロはあるハードな行程を堪能するためにまだ陽も昇らぬ早朝、出発した。

 埼玉県大滝村から奥秩父・標高約1800メートルの三国山の肩を切り通しで抜けて長野県川上村に至る中津川林道を経由し、長野県川上村から金峰山廻り目平キャンプ場あたりをかすめて砂地・砂利・岩石・ぬかるみ・根雪・えぐられた路面・川状になった道・急傾斜・ヘアピンカーブなどなど様々な手応えがある四つのダート林道(総称・峰越林道)をつないで標高約2600メートルの国師岳大弛峠越えをして山梨県牧丘町に抜ける通称・大弛越え、それを往復したあと、さらに長野県野辺山高原から八ヶ岳まで足を伸ばした時だった。
 八ヶ岳林道は、八ヶ岳中腹標高1600メートル付近を南北に走る狭い山岳ルートで、ダートな道だとはいえフラットな路面は走りやすい。ハードでヘビーな行程を経たあとでのフラットランは軽やかで、風をきる車の走りに合わせて落ち葉がダンスでも踊るかのように舞う姿は、秋ならでは光景で魅力的だ。時折、野性の鹿一家が可愛いオシリをプルンプルンと揺らしながら走る姿も目撃できる。とても平和だ。

 この林道途中にある秘湯(本沢温泉・稲子の湯)に浸ってうたた寝をしたあとで、林道逆コースをつないで帰路につけば最高だ、とふっと気分が和らいだその瞬間だ。気持ちの隙間を突くように、前方のカーブからオフロードバイクがフルスロットルで勢いよく飛ぶように現われた。

 身体中の毛穴が驚きで全開、思いっきり急ブレーキを力の限り踏み込んだ。土埃りがモクモクと大きく舞い、車輪がスリップして砂利が勢いよく四方八方に飛び散る。バイクも急ブレーキをかけたが制御には寸止め一歩手間で間にあわない。絶対絶命である。オフロードバイクと4WD車は一瞬にして鈍い衝撃音と共に正面衝突、バイクを運転していた人の歪んだ顔が車のボンネットに乗った。

 咄嗟の出来事なのにスローモションでも見ているかのように脳裏に写る。そして「内臓破裂」「殺人」。この二つの単語がよぎり、数秒、時間が止まった。ハンドルを握り締める手は固まったままだ。
 われに返って車から飛び降りると、大破したオフロードバイクが目に飛び込んできた。極めて無残な形だ。

 「ストレスを抱え込んだ中年男、八ヶ岳林道で4WD大暴走。オフロードバイク大破、内臓破裂」新聞の見出しが浮かぶ。
 急いでフロントグリルに隠れている相手の下腹部を、覚悟して覗き込む。と、何と、奇蹟としか言いようのない状態で相手の身体は4WD車に装着してあるグリルガードにしっかりと保護されているではないか。まったく異常なしだ。

 この「不幸中の幸い」の奇蹟的出来事に全身の緊張がほどけて、一気に力が抜けてその場にヘナヘナと座り込んだ。
 相手もわれに返って自分の身体を見回し、手首の捻挫以外どこにも異常がないのに気付くと安堵した表情で震えながら言った。「グリルガードに助けられました」。

 動物たちや障害物などとの衝突・追突で車のフロントやラジエターやエンジン下廻りが大破しないようにオフロードを走る4WD車には当時、グリルガードやアンダーガードを装着するのが鉄則だった。
 その後、オフロードタイプが街乗りでも流行になるに連れて、飾りでつけるRV車が増え、街場で追突事故がある度に「グリルガードは凶器、危険」という極めて偏った見方での認識が広まった。
 しかし、実体験した林道での正面衝突事故では、その偏った認識とはまったく逆の結果が表われた。そして「オフロードではグリルガードやアンダーガード装着は最悪の事故結果を回避する」という事実だけが残った。今もその認識に大きな変化はない。

 とは言え、車は走る凶器で特に頑丈な車は大凶器になる、という認識は高まった。無茶苦茶に大破したオフロードバイクとグリルガードやアンダーガード装着に保護され、まったく無傷のままの強靭な4WD車。これを目のあたりにすると、言葉を失する。

 その不幸中の幸いの事故以後、大好きな林道のハードなダートコース走りでは、正面衝突のあのシーンが必ず浮かびあがる。無心になってアクセルを思いっきり強く踏み込むことが一切、出来なくなってしまった。万が一の用心が先立ち、アクセルよりも減速やブレーキに神経が移動してそれが固定されたかのようだ。トラウマである。当然と言えば当然だ。

 唯一の楽しみを喪失してしまったその後は、林道に入っても極めてノンビリと走りながら山奥にある秘湯の温泉を見つけては湯に浸るという温泉フリークに転向した。
 それはそれで味わい深いが、林道のハードなダートコース走りを無心になってワイルドに堪能したあとでの温泉三昧に比すれば、軟弱過ぎて物足らない。
 飛ぶように跳ね廻る緊張の連続振動は不思議と精神まで癒してくれるが、ゆっくり走るとぐにゃぐにゃドッタンバッタンの振動そのものが疲れを加速させるし、頭がいろいろ考えを巡らせ始めて埓のあかないグジュグジュな日常を引きずるようにもなる。無心にはなれないものだ。よって、林道走行そのものからも次第に遠ざかるようになっていった。

 今では愛車パジェロは単なる近隣移動用アイテム+農耕用車にすっかり変貌した。後ろの収納スペースには日頃、2004年から着手するようになった農作業に必要なものしか積まなくなった。要は軽トラ感覚だ。

 考えるまでもなく、トラウマが消えたとしても、寄る年波により、無心になってアクセルを思いっきり踏み込むハードな林道のダートコース走りは、気力・体力共に無理になっている。愛車にしても、それに耐え得るだけの力を失いかけている。

 元々、車を丹念に洗い、ピカピカにワックスをかけるという趣味を持たないので塗装も朽ちてきた。「買って15年ワックス数回」というタイプなので山口県に引っ越してきて遭遇した台風による海からの塩害が追い打ちをかけ、劣化の早いボンネットや天井部分はマダラに剥がれてきたし、濃霧時や大雨時に威力を発揮する特別仕様のスポット&フォグランプ装備は錆び付いて使用不能となった。
 劣化したホース類の交換は怠りないつもりだが、下廻りの随所でオイルがにじみ、モレの現象が起き始めている。ベアリング類は破損一歩手前だろうと予測もつく。

 いつオシャカになっても不思議ではない朽ちそうなパジェロだが、車検も終えた。

 元々の基本的操作性には不満がない。長年連れ添ってきたので、身体の一部になったかのようにドライブフィーリングはすっかり馴染んでいる。その分、異常に気付くのも早い。愛着もある。
 ここまでくれば走行距離30万キロ越えまでは、この愛車のいのちを、どうにかしてつなぎたい、と今、改めて思っている。

2008年8月 記

閑中閑の日常【其の五/パジェロな話】

と、改めて思ったのも束の間、遂に、というべきか、やはり、なのか、パジェロが壊れた。11月末のことだった。(↑を読む

 街なかを走行していたら、ディーゼルエンジンの回転がショボショボしてきて止まった。キーをまわして無理やり再スタートさせるとエンジンは復活するし、走る。しかし、長年乗り馴れているのでその異常さが深刻な原因にあるのは、素人でも直ぐに分かった。明らかに燃料噴射ポンプの異変並びに故障発生の兆候だ。

 「燃料噴射ポンプの部品に異常がある」という報告は、3〜4年前にメーカーから文書が届いていた。その時期は、ディーゼル規制がすすむ首都圏などでは、この形式の車は車検すらパスせず、乗れない代物になってしまった頃だ。言い替えれば、三菱自動車は「無償修理」せざるを得ない車の台数がめっきり減った=廃車になるのが増えた=時期を待って、おもむろに、対策を講じる旨の文書をユーザーに出した、ということだ。三菱自動車らしいセコさである。ユーザーとすればそのセコい姿勢にはすっかり慣れてしまっているので、遅すぎる対策ですら怒らず、むしろ寛容に許せてしまうというものだ。メーカーにとってはこのようなユーザーはお釈迦様のような存在でもある。
 その頃のお釈迦様的な当方は、国文祭の準備に追われ、車ごときの欠陥対策に気がまわる時期ではなかった。パジェロは異常なくガンガン走っていたし、対策=欠陥の修理=は棚上げしたママの状態だった。

 ディーラーに持ち込めば「無償修理」の対象になっているので修理は今でも可能だろう。しかし、そこだけ直せばいいというものではない。何せ欠陥の宝庫のような三菱車だし、しかもネンキが入りすぎているのだから。ディーラーに持ち込む前に修理屋さんに時間をかけて詳細かつシビアに診てもらうことにした。

 結果は、予期した通り悲惨だった。「あそこも、ここも、多分アレもコレも」今後の1年でかなり修理せねばならない箇所が露骨に出てくる、という見立てだ。人間でいえば入退院を繰り返すたびに大手術が必要ということだ。再び出費もかさむし、ドック入りの頻度も増すというものだ。

 未練と愛着。その葛藤を見透かしたように修理屋さんが言った。「商売上、修理して乗り続けることをサポートをするのが私たちの基本姿勢だが」と前置きをしつつも「私がこの車のオーナーであるならば、直さずに廃車にする」。もっともだ。異論はない。ざっと修理代概算を予測しただけでもため息が出る。
 車の保険関係で長年つきあいのある保険屋さんにも電話で意見を聞いてみた。判断にダメ押しするかのように彼はこう言った。「もういいでしょう、十分過ぎるくらい乗ったのですから、僕だったら廃車にします。そもそも7月に車検更新したのが未練というものです」。厳しい指摘だ。

 私の覚悟も決まっていた。「今回の修理代程度で買える、あるいはおつりがくるぐらいの中古で、状態の良い車はあるか」と修理屋さんに聞いてみた。展示販売コーナーには普通乗用車タイプ、ワゴンタイプといろいろある。しかし、車を観ながら説明を聞いても興味が一向に湧いて来ない。車そのものにはまったく興味がないのだから仕方ない。車そのものに興味があれば、無理をしてでも新車にする。しかし、実際のところは、軽トラ以外、興味は皆無に等しい。でも、即座に軽トラにするには女房殿の反応を予測するにつけても、ハードルが高い。
 キョロキョロ見回していると、1台、私の目にとまった車があった。車自体が「おいで、おいで」「これなら女性も気軽に運転できるよ」と呼んでいるような気もする。「あの車、売りもの?」と尋ねると「あれは軽自動車ですよ」と修理屋さんは奇妙なものを見るように私の顔を覗き込んで言った。言われなくても軽トラではないが軽四だということは見れば分かる。

 「ちょっと、あの軽、試乗させて」と言うと、早速エンジンをかけてくれて、道路上に車を出すやいなや修理屋さんは助手席にさっさと移動した。むさ苦しい男二人で軽でのドライブだ。

 「おっ、力がないね、エンジン感覚は軽トラみたいだ」。私がそう言うと「軽自動車ですから」と修理屋さん。「直接振動、路面状況露骨に拾うね、しかもきゃしゃだ」私がそう言うと「頑丈かつ足廻りのいいパジェロじゃありませんからね」と修理屋さん。「エンジンがかかっているのか、いないのか、分からないくらい静かだね」私がそう言うと「ディーゼルではなくガソリン車ですから」と修理屋さん。「軽の乗用車って軽トラみたいでなかなか面白いね」「同感です。軽トラではないので女性ドライバーにも軽自動車は人気です」。そんな会話を車内でしながら修理屋さんに率直な感想を聞いてみた。「この軽、程度もそんなに悪くないように思えるけど、どんなもんでしょう」。「はい、意外といいですね、この軽、悪くはないですね」。

 20分弱の試乗で、巨漢パジェロからミニチュアカーの如き中古の軽四に乗り換える決意が固まった。

 修理屋さんにPAJEROの葬儀一式=廃車手続き=を依頼して車内に残った荷物をあたかも遺品整理でもしているかの如く段ボールに入れていると、万感迫るものがわいてきた。心境、複雑だ。しかしここはキッパリと、パジェロ歴20数年の幕引きはせねばならない。線香一本あげることは出来なかったが、運転席、フロント、リアー等々に深々と頭を下げて合掌すると、様々なシーンが浮き上がる。長年にわたりありがとう、の感謝を込めてフロントに抱きついた。このパジェロにはあまりにも多くの私自身の喜怒哀楽が染み込み過ぎている。未練タラタラな気持ちは隠しようもない。が、走行距離27万キロ越え一歩手前で、悔しい哉、寂しい哉、お別れである。

 巨漢パジェロの跡目を引き継ぐことは出来ないながらも、HONDA Lifeは今、路面状況を露骨かつダイレクトに拾いながら、中古の軽四らしさを発揮して、チョロチョロ跳ねている。頼りなくも、軽くてオモチャのような面白い車である。

 数日、HONDA Lifeに乗っていると、道路を行きかう軽四の乗用車がやたらと目につくようになった。これまでだと考えられない現象だ。よくよく見ると「え〜こんなに多種類」と思えるほどいろいろある。でも、私自身の興味として軽のなかで群を抜くのはやはり「軽トラ」だ。農耕にいそしむには軽トラがいい。いつになるか分からないながらもセカンドカーは軽トラの四輪駆動の新車にしたいものだ、と女房殿に内緒でいま、改めて密かに思っている。

2008年12月 記

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