腐敗したニュースゴミ&さえないニュースゴミ
●其の五/ODAとJICA、今年もがんばってます、無駄使い●


予算はうなぎのぼりの日本の政府開発援助『ODA』&予算消化の一翼を担う国際協力事業団『JICA』の取り組みは、「ばらまき」と批判されても「いい加減」と非難されても「その予算総額は1兆円を超え、9年連続で世界一」と、誇らしげに年次報告を掲げてご満悦だが、会計検査院の調査で、依然として当初目標が達成されていない「空振り援助&予算消化型」が続いていることが判明した。
 特に今回、検査院が「疑問があり、技術指導にもなっていない」と指摘したのは「インドネシアの乳牛繁殖支援・人工受精事業」。

 インドネシアの「乳牛繁殖支援・人工受精事業」は、高品質の牛乳を安定供給できる乳牛を増やすための人工授精事業で、1986年から始まり、日本のODAで10年間に総額約9億8900万円が投じられた。
 「遺伝的に優秀な雄の種牛を選抜し、乳量の多い牛を殖やす技術移転が主な柱」とされ、人工授精、飼料や牛乳の衛生管理を扱う日本人技術者約20人を派遣。酪農が盛んな東ジャワ州の人工授精施設で「プロジェクト方式技術協力」として実施した。

 簡単に言えば、日本から連れていった種牛の雄牛6頭と、地元の酪農家から募った雌牛の間で交配作業を行なうというもので、種牛6頭から人工授精用精液を採取して、雌牛にそれを入れるという事業。

 人工授精用精液は、当初は年間25万本だったが、事業終了時の95年には54万本とほぼ倍増。しかし、精子を採れるだけ絞りとられた種牛2頭は早々に老衰して他界、残る4頭も高齢で作業終了までに死亡してしまい、その後は、事実上、人工授精はできなくなった。

 技術移転が主な柱、としたわりにはその見通しや技術は甘く、現地で優良種牛を育てることも、その後、日本から若い種牛を連れていくこともなく、種牛の年齢的限界や良質な精子採取の基本もおさえずに、ただただ6頭に頼りっきりで行き当たりバッタリの方法を続けた挙句に、その6頭を老衰で他界させてしまい、次世代の種牛がいないがために人工授精もできなくなり、事業そのものが頓挫した。

 これに関して援助事業主体の国際協力事業団(JICA)側は「牛は死んだが、事業期間中には精子増産に成功しており、成果は上がった」と主張しているとかで、「これこそが空振り&予算消化型の見本」という認識すらない模様。
 当然、牛飼いではない会計検査院も基本や常識というのは分かっており、「現地に技術を根付かせるのがODA本来の役割。技術指導にもなっておらず、失敗とは言えるものの成功とは言えない」と厳しく指摘&批判している、とか。

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●99年の未処分腐敗ゴミ●

其の一/政治家や官僚の根腐れ、やはりあとを絶たず

其の二/ビジネスチャンスの食いもの、今年も腹いっぱい?

其の三/だらしない企業、健在なり

其の四/政府の権限、それは「カネは使いたい放題さ」

其の五/根腐れ警察のボロボロ事件簿、神奈川県警テンコ盛りで独占


●98年の未処分腐敗ゴミ●

其の一/根腐れ官僚編

其の二/怠慢行政編

其の三/ビジネスチャンス編

其の四/歪んだ施策編


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