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もみ殻を再利用した「もみ殻育苗マット」の開発に成功。

■山形県川西町の「おきたま農協」は、もみ殻を再利用した「もみ殻育苗マット」の開発に成功し、今春から山形県置賜地方を対象に販売する目的で本格生産に入った。

 もみ殻育苗マットは、もみ殻を再利用できるという環境面での効果のほか、山や田の土を使った従来の育苗培地と比べて重量が半分と軽く、価格も2割程度安いのが特徴。平成8年にもみ殻育苗マットの開発に着手し、100ヘクタールの水田で実験を重ねた結果、収量も品質も従来の育苗培地と変わらないことが分かったため、生産施設を建設して本格生産に入った。

 コスト削減よりもむしろ、田植え作業の軽減を望む高齢の農家や兼業農家などから既に注文が入っているということで、同農協では「当面は、置賜地方の農家に普及させ、将来的には全国に販売網を広げていく」としている。同マットの商品化は国内初めてで、製造技術は特許。

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日本初、天然酵母を使った地ビールが誕生。

■秋田県内で地ビールを製造・販売する会社・商店などでつくる「秋田県麦酒醸造技術研究会」が天然酵母を使ったビールを開発した。
 ビール製造に使う酵母は、麦汁を低温でアルコールに発酵させて良い香りを出すなどの条件で200株以上の酵母の中から選抜、秋田県五城目町の山林の樹液から採取した酵母が唯一、その条件を満たしたため、そこから採取された天然酵母を使った。

 天然酵母は通常の酵母より発酵するスピードが遅いなど、大量に生産・販売するには課題が残されているため、当面は冬季限定商品として販売する。

 アルコール度4%で、研究会を構成する会社・商店の直営レストランのメニューに加えて販売。その名は「秋田天然酵母ビール」で、価格は300ミリリットルのグラスで600円程度。

 ビール製造に使用できる天然酵母の発見で、地ビール開発に潜在している可能性の部分が、ひとつ広がった。

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果樹園芸、特に柑橘栽培にパワーを発揮する草
「ナギナタガヤ」が注目。

草生栽培の可能性を、より広く、より大きく浸透させはじめた

■瀬戸内の小島(愛媛県中島町・怒和)でミカンをつくり続けて40年余。ある1軒の農家が、偶然出会った草「ナギナタガヤ」。その草との出会いが、思いもかけず今、一大革命を起こし始めた。
 「草との共生」は有機農業の専売特許でもあったが、ナギナタガヤの大きな力を見い出した普通の農家が、自然農や有機農の取り組みをあっさりと超えた。そして今や「草は刈るもの」「草がないのが優秀な畑」と言って譲らない農家さえも、その成果を聞きつけて、「わが家の畑にもその草を」とナギナタガヤをせっせと生やし始めた。
 日本農業の長い歴史の中で誰も気付かなかったナギナタガヤという草の力。それを、毎日毎年の積み重ねの中で引き出した瀬戸内のミカンの島に暮らす農家・岡野勲さんキヨ子さん夫婦。

 ナギナタガヤの威力は、特に果樹農家の強い味方になり、柑橘栽培にはうってつけのものであることを農家・岡野勲さんキヨ子さん夫婦は、実践の中から立証し続けている。

 ナギナタガヤは、春に生えて夏に枯れる。ナギナタガヤを自生させることで、園地の保温、保水力は勿論のこと、VA菌根形成により樹勢が盛んになり、果樹全般の栽培特性が高度に上がる。また、春に生えて夏に枯れるため、そのまま「堆肥」の役目を果たし、土が肥沃になる。

 そればかりか、除草作業から解放されると同時に、悲願でもある除草剤散布からの脱出も可能だ。

 また、自らの取り組み如何によっては、表面的な「安全、安心」を象徴して「記号化」されている有機農業から脱皮し、さらに深化して「有機的循環」が叶う可能性を秘めている。

※書籍『草(ナギナタガヤ)からの革命』の案内。

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ダイオキシンなど汚染土壌の無害化にキノコが大活躍、
実証実験で次々にキノコパワー判明。

●「ブナシメジ収穫後の使用済み培地にダイオキシン分解能力実証」&「不要になったシイタケの菌床を加圧・加熱で汚染土壌の無害化実証」&「毒ガスのイペリットをキノコの酵素で分解して無害化するのに成功」●

ブナシメジ収穫後の使用済み培地にダイオキシン分解能力実証

 ブナシメジを収穫した後の使用済み培地=廃培地にダイオキシン分解能力があることが、広島県立大微生物工学研究室の試験研究段階で実証された。

 これは、長野県内の企業から依頼されたものを、広島県立大の微生物工学研究室が同社の廃培地を焼却灰にまぜてダイオキシン濃度を調べ、効果を確認したというもので、今後、極めて注目される実験になっている。
 実験した森永力教授らによると、焼却灰200グラムにブナシメジ8号菌の使用済み培地20グラムをまぜたサンプルを10種類用意してダイオキシン濃度の変化を見ると、その結果、5カ月後の分解率は56〜66%に達し、毒性も四分の一程度に減っていたという。しかし、菌は6カ月目に入ると弱りだしたという。 

 キノコのダイオキシン分解能力は80年代後半から知られるようになり、90年代初めから大学などの研究機関で実験が繰り返されてきた。ところが多くは培養した菌を使う手法で、巨大な培養施設が必要となりコスト高が課題になっていた。しかし今回は、収穫した後に残る下部の菌床の培地、つまりもともとたい肥などにしか使い道のなかった培地に着眼し、ブナシメジを収穫した後の使用済み培地そのものに分解能力があることを明らかにしたもので、近く農地での実証実験に着手するという。

 この実験を依頼した企業「ホクト産業」では「実証実験で好成績が得られれば行政の協力も得ながら、ビジネス化したい。早ければ1年後にも実用化させたい」と話している。

不要になったシイタケの菌床を加圧・加熱で汚染土壌の無害化実証

 人体に悪影響を及ぼす有機塩素系農薬のDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)に汚染された土壌に、不要になったシイタケの菌床を粉砕して交ぜ、加圧・加熱することで土壌を無害化、固形化することに、高知大教育学部の蒲生啓司助教授(分離化学)が成功した。
 同じ有機塩素系化合物で、猛毒のダイオキシン類やPCB(ポリ塩化ビフェニール)などにも応用できれば、汚染土壌の処理方法の一つとして注目される。

 シイタケの菌糸には、難分解性の有機塩素系化合物を分解する働きがあることが最近の研究で明らかになっている。ところが、分解できる濃度に限界があり、しかも相当な日数を要するなどの欠点があったため、「水熱ホットプレス法」と呼ばれる水分を含む物質を加熱・加圧して化学反応させる手法で、菌糸による分解を加速させることを試みた。
 その結果、1平方センチ当たり780キロの圧力をかけ、温度を60度にすると、わずか20時間で分解率が85%程度に達した。時間をかけるとさらに分解が進み、無害化した。

 菌糸は収穫後の菌床にも一定残っているため、実際に県内で栽培に用いられたものを収穫後に利用した。砂状に粉砕して土壌に交ぜ、DDT代謝物のDDE(ジクロロジフェニルジクロロエチレン)を1グラム中、0・0025ミリグラムになるよう含ませた。この試料を使用し、水熱ホットプレス法で圧力や温度をかけると、DDTが分解し無害化した。もう一つの代謝物のDDD(ジクロロジフェニルジクロロエタン)も同様の結果になった。

 水熱ホットプレス法では物質が固形化するため土壌の場合も、体積が5分の1〜10分の1程度まで縮小する。菌床の代わりに、炭酸カルシウムやシリカゲルなどの無機材料を用いても同様の効果が得られるという。
 蒲生助教授は「この手法なら、汚染された土壌を短時間で無害化、縮小化できる。DDEだけでなく、ダイオキシン類やPCBなどの有害物質にも応用できるはずだ。今後、なぜ水熱ホットプレス法で分解が加速されるのかを解明していきたい」と話している。

カワラタケなどの菌糸からでる酵素で毒ガスを分解、無害化実証

 菌糸のパワーが次々と表面化するなか、九州大学農学部の割石博之助教授らの研究グループは実験で、化学兵器として使用された毒ガスのイペリットをキノコの酵素で分解して無害化するのに成功した。
 実験ではカワラタケを用い、かさが開く前の菌糸状の段階で培養液にした。この培養液に毒ガス兵器と同じ濃度のイペリットを入れると、菌糸から分泌される酵素の作用でイペリットの成分である硫黄と有機塩素が分離され、約30分後には無毒になり、さらに5時間後には、分解が進んで水や二酸化炭素などの物質に変った。

 イペリットは別名をマスタードガスともいい、第一次世界大戦でドイツ軍が使用。旧日本軍も中国で使用し、そのまま放置されている。化学兵器として世界で最も大量に製造され、その処分が国際的な問題になっていることから、またひとつキノコの酵素が持つ分解能力が注目されそうだ。

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有精卵が思わぬところで大活躍

■いわゆる「平飼い養鶏」の鶏肉や有精卵は、食の安全性指向から人気で、抗生物質漬けの餌で大規模養鶏を営む所から出荷される鶏肉や卵より数倍も価格が高いにもかかわらず「安全で、かつうまい」と定評がある。大規模養鶏農家が経営的に苦慮するなか、小規模の「平飼い養鶏」農家は比較的安定した農家経営を、少々苦しいながらも営んでいる。そんな養鶏の世界に、思わぬ「特需」が舞い込んだ。
 それは、ニワトリの「有精卵」で、インフルエンザが猛威を奮い、予防接種の希望者が激増、ワクチンが不足したからだ。
 ワクチン不足と有精卵にどのような関係があるのかを知る人は少ないが、実は、ワクチン製造メーカーでは、インフルエンザワクチンを有精卵を使って造りだしているのである。
 ワクチンを作るには、ウイルスを増殖させる細胞が大量に必要で、その際に、ニワトリの有精卵を利用する。ウイルスの型が決まると、メーカーは100万個近くの有精卵を確保し、37℃保温のふ卵器に入れる。そして、暗室で受精卵の殻の外から光を当て、胚(はい)の活動を確認し、卵殻から注射針でインフルエンザウイルスを注入するなどしてワクチンの原液を作る。

 インフルエンザの猛威で死亡者が続発した中、その被害を最小限に食い止める重要な縁の下の力として、「有精卵」が活躍した。

 ニワトリをめぐっては最近、いい話を耳にしない。例えば、最強の抗生物質といわれたバンコマイシンを効かなくする腸球菌(VRE)を、抗生物質漬けの鶏肉が持つという話。またそれが、食肉の卸業者に渡ったベトナム産の焼き鳥用鶏肉からも検出されたと、消費者を不安がらせる話。健康体なら不安はないというものの、また、加熱すれば大丈夫と説明を聞くものの、食卓や、はたまた「ちょっとイッパイ」と気軽に足を運ぶ「赤ちょうちん」の食材からも、となればニワトリを敬遠する傾向が強くなる。そうした悪評の中のインフルエンザに立ち向かう「有精卵」の活躍。ガンバレ、ニワトリ!

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「白神山地保全を」とリンゴジュース販売

■世界遺産・白神山地を守ろうと、売り上げの5%を白神の環境保護に充てるリンゴジュースの販売を地元青森県岩崎村の山岳愛好団体「白神倶楽部」事務局や白神世界遺産巡視員らが企画して始めた。このリンゴ果汁100%のジュースの名は「白神しぼり」。
 岩崎村ではリンゴが栽培されていないことから、ジュース生産は青森県板柳町のリンゴ農家に委託し、加工・販売は地元の岩崎村総合開発が受け持つことになった。ラベルや宅配用の箱には、ブナの実の絵や白神山地の地図があしらわれている。
 白神山地は、手つかずのブナ原生林が残る貴重な森林で、1993年12月に中心部分の1万6971ヘクタールがユネスコの世界自然遺産に登録された。岩崎村に属するのは755ヘクタールとわずかだが、「これがきっかけで保全への関心が高まれば」と岩崎村では話している。 
 今年は5000本の販売が目標。集まったお金は白神山地を抱える青森、秋田の5自治体に配分し、登山者にごみの持ち帰りを訴えるごみ袋の購入や、ブナの苗木購入などに充ててもらう。リンゴ果汁100%のジュース「白神しぼり」は720ミリリットル入り1本700円(税別)。リンゴジュースの申し込み、問い合わせは岩崎村総合開発0173(77)3060。

※「食生活関連」のコーナーには「白神山地の酵母パン」記事があります。


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福島県蚕業試験場が、まゆのタンパク質から
天然化粧水をつくることに成功

■天蚕(テンサン)のまゆのたんぱく質から、紫外線を吸収する化粧水を作ることに福島県蚕業試験場が成功した。福島県蚕業試験場では1992年から、天蚕のまゆのたんぱく質の紫外線吸収率の大きさに注目し、化粧水づくりに取り組んできた。そして、製作過程でたんぱく質を溶かして膜状にする技術を開発し、全国で初めて天蚕に関する特許も取得した。化粧水はこの技術を使ったもので、自然界の物質を使っているため、肌にやさしいという。

 天蚕はヤママユガ科の昆虫で、このまゆからとれる絹は、1着300万円以上の超高級和装に使われる。福島県では蚕のまゆの生産が年間250トンに対し、天蚕のまゆは30キロと生産が少ないため「繊維のダイヤモンド」とも呼ばれている。将来は、膜が液体を一方向にしか通さない特性を生かし、人工皮膚などの素材として商品化が期待できるとしている。

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農作物に寄生する虫を
天敵の寄生蜂を使って駆除
中国農試が実証。
企業は
天敵利用で特許取得を目指す。

■農水省中国農業試験場(広島県福山市)は、キャベツや ダイコンなどの農作物に寄生するモモアカアブラムシを、その天敵として従来から知られている寄生蜂を使って駆除する方法の実証に成功した。

 寄生蜂は、コマユバチ科アブラバチ亜科の「アフィデュース・ギフエンシス」で、体長約4ミリ。モモアカアブラムシの産卵管を刺して卵を生み付け、ふ化した幼虫はモモアカアブラシの栄養で成長し、羽化する時には殻だけにしてしまう。

 実験ではその特性を利用した。寄生蜂を試験場のジャガイモほ場から採集し、モモアカアブラムシを寄生させたチンゲンサイ24株の入った小型のガラス室に入れた。そして、頭数や放し飼いの回数、間隔を変えて四つの条件で、アブ ラムシの繁殖状況を調べた。 その結果、寄生蜂を入れた場合は、アブラムシがゼロになり、効果があることが分かった。

 天敵の昆虫を使った生物農薬は、国内では10品が登録されているが、そのうち7品は元来、国内には生息していない種。それが野外に拡散すると生態系を乱す可能性が高い。しかし、在来種を利用すると、野外に拡散しても、生態系を乱す可能性は低いと考えられていることから、この駆除方法が今後、注目される。

 また、環境保全の観点から農薬にかわる天敵利用の今後の注目度に焦点を合わせて、ビジネスとして天敵利用の特許取得の動きも1996年あたりから出始めている。例えばトーメンなどは、試験場と共同で日本在来の寄生蜂を用いた害虫の防除と蜂そのものの「増殖方法」などに関しても特許申請をするなど、水面下で「独占的な商業利用」を目指した「天敵ビジネス」の準備を開始している。

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馬の潜在する魅力に気付き
馬牧場を開設した幼稚園が誕生

■後志管内倶知安町の私立倶知安幼稚園(山階照雄園長、園児158人)が、町内に馬牧場をオープンさせた。子供たちに馬に親しんでもらい、馬と触れ合うことを通して、命の大切さや自然に親しむ心を身につけてもらえれば、との目的だ。園長の親類にホーストレッキングを楽しむ人がいることなどから、思い立った。

 牧場用地は園から約4キロ離れたところにあり、理解を示す農家から無償で提供してもらった。広さは約1600平方メートルで、馬は園が購入したドサンコ(北海道和種馬)1頭とポニー4頭の計5頭。牧さくで囲い、乗馬を楽しめる馬場も造った。飼育は町内の元農家に頼む。

 園児たちは毎週一回牧場を訪ね、乗馬や近くの山中でのホーストレッキングを楽しむほか、えさの牧草運びや馬の世話もする。幼稚園の馬牧場は道内で初めて。

 馬はホースセラピー(ヒポセラピー)として乗馬療法や障害者乗馬で注目を集めている。イギリスが最も先進しているが、世界各国に「ホースセラピー」の魅力が浸透し、近年、日本でも取り組みが活発になってきた。しかし、農業者が馬の潜在する良さや魅力に気付いてこうした取り組みを実践するというよりも、むしろ非農家の人たちが馬の持つ潜在する魅力に気付き、こうした取り組みを実践する方が圧倒的に多いのが日本の現状だ。

 「農業の多面的機能」の中に、こうした「潜在する可能性」を見い出す新たな動きは少ないものの、2000年代には、これらの動きが拡大することが予測される。

☆乗馬療法や障害者乗馬に関しては、小舎刊行書籍『農の世界を耕す-発想[転]じて大発見』に詳しく記載されています。

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カキ殻を再生利用
堆肥化に向けて試験を開始

■土づくりで知られる長谷川和久石川県農業短大助教授が、七尾西湾で年間4000トン近く生じるカキ殻の有効利用を目指して、堆肥化試験に乗り出した。

 現在、日本海側最大のカキ産地・七尾西湾で発生するカキ殻の多くは、暗きょ排水事業に投入され、保護材としてパイプの周囲に敷き詰められて活用されているが、2年後(平成12年度)に事業が終わり、大量の殻が宙に浮く。そこで長谷川和久さんは、このカキ殻に注目。カキ殻の主成分である炭酸カルシウムに着目したのは勿論のこと、「堆肥化した場合、カルシウム分の供給だけでなく、酸性土など不良耕地の改良にも極めて有効」「県内で使われる高品質の堆肥は九割近くが県外産で、地域で発生する生物性の廃棄物を地元で大量に有効利用できることにもなる」と、思い立ち、暗きょ排水事業を推めている中島町と七尾西湾漁協に協力を要請。快諾を得て試験に着手することになった。

 試験では、細かく砕いたカキ殻に、100度の高温でも活動する好気性高温耐性菌を混入したうえで、間伐材チップ、家畜の糞尿などを水分保持材として混ぜ、約100日かけて堆肥化の状況を調べる。併わせて、4〜5センチと粗く砕いた殻と、細かく砕いた殻と二種類を用意して出来具合を検討する。

 農業現場ではこれまでも、貝殻の砕粉をはじめ魚の骨粉などを堆肥化したり鶏餌利用する事は、個人的取組では一部みられてきた。しかし、大量のカキ殻を堆肥化して地域リサイクルの視点で有機的循環の中で再利用をすすめるようとするのは、これまで全国でも例がない。この試みや活用がうまくいくと、全国のカキ産地および周辺の農業地域にとっても朗報になりそうだ。

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北海道庁が、道内の農業と農村が持っている
数字には表しにくい機能や魅力の評価額を試算。

■北海道庁は、道内の農業と農村が持っている水田の保水力や田園風景など数字には表しにくい機能や魅力をあえて金額に換算してみると、その評価額は1兆2500億円になるという試算結果を発表した。
 評価によると、例えば、水田や畑、農業用水用ため池などが持つ貯水能力や洪水の防止効果で約6100億円。農作物が二酸化炭素を吸収する大気の浄化効果で約7400億円。人を引き付ける美しい農村風景形成で約2500億円。観光農園や農業体験学習などによる休養、情操教育の場の提供などアメニティ機能と教育・文化機能で約5200億円など、とか。

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