【国際&外交関係】
ヨハネ・パウロ2世、カトリック教会史上初めて、過去2000年間に犯した罪を認めてざんげ。

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ヨハネ・パウロ2世、カトリック教会史上初めて、過去2000年間に犯した罪を認めてざんげ。

 キリスト生誕2000年を機にローマ法王のヨハネ・パウロ2世は3月12日、バチカンのサンピエトロ寺院でカトリック教会史上初めて、過去2000年間にキリスト教会が犯した罪を認め、神の許しを請う特別ミサ、いわゆる「懺悔(ざんげ)」を行なった。
 この日のために、法王の強い要請で、すでにローマ法王庁は3月7日、異端者や異教徒に対する宗教裁判をはじめ、十字軍の遠征や第二次大戦中のナチスによるユダヤ人迫害に対する容認などを「過去の過ち」として列挙し、「記憶と和解」と題する文書を公表していたが、こうした特別ミサの形で過去の過ちをざんげするのは、歴代法王として初めて。

 ローマ法王は特別ミサの中では、ナチスによるユダヤ人大量虐殺の容認などカトリックが行なった歴史的な具体的事例には特別、触れなかったものの、先住民に対する差別や抑圧も罪として認めた。
 ローマ法王がキリスト生誕2000年を「大聖年」と位置付けてざんげした特別ミサには、過去の過ちを公式に認めることにより、敵対関係にあるイスラムなど、他の宗教との関係を改善したいという思いも込められており、世界各国で求められている過去の歴史に対する見直しや人種・宗教の違いを超えた人権主義の確立に向けた動きを、ある面で象徴するものとなった。

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