ニュースとしてあらたまって記事にすることでもないが「こんなこともあるらしい」というものを、雑記帳感覚で記載しています。
このページの項目(其の一から其の八)
其の八/食用牛肉や鯨肉、豚肉、怪し&ややこし其の七/目を引くティーンエイジの活躍其の六/情報公開(表示)されぬままクローン牛が食用として市場流通其の五/300日間、無事故無違反だと100万円プレゼント其の四/ロックミュージックがトマト受粉の促進にピッタリ其の三/省庁再編を巡るドタバタは改称で解消?其の二/過疎化や地域振興対策に群がる「怪しい人たち」。其の一/都知事・石原慎太郎語録&巷の声



其の八/食用牛肉や鯨肉、豚肉、怪し&ややこし

●EU(欧州連合)の欧州委員会は5月3日、アメリカ産牛肉の肥育に使用されている6種類の成長促進剤の1つで天然ホルモンの「エストラジオール17ベータ」は「完全な発がん物質とみなすべき証拠があり、発がん、がん促進の効果がある」とする専門委員会の報告書を公表。欧州委員会は促進剤を使ったアメリカ産牛肉=ホルモン牛肉の輸入を禁止。さらに最新の調査で、促進剤を使っていないはずのアメリカ産牛肉にも促進剤の残留物が含まれていることが分かり、6月15日からはアメリカ産牛肉の輸入を停止する、とか。勿論、アメリカはバナナ訴訟同様に対抗措置を講じる模様。

●また、グレナダで開催中のIWC(国際捕鯨委員会)の科学委員会は、オークランド大(ニュージーランド)の遺伝子解析で「日本で売られている鯨肉の中には、マッコウクジラやイワシクジラなど捕獲が禁止されている鯨種が含まれているばかりか、高級鯨肉として売られている肉が、実は馬肉のケースもあり、日本の鯨肉流通は無法状態」との調査結果を発表した。
 それを耳にした馬が「鯨肉より馬肉の方がウマいのだから、ドウドウと馬肉と明示して売れ!」「高級鯨肉として売られている肉が、実は馬肉という表現は、馬を差別するばかりが馬鹿にしている表現で、国際捕鯨委員会の認識は許せん。馬の肉も鹿の肉もウマいのに」といな鳴いている、とか。

 その馬のいな鳴きを聞いたわけでもないだろうが、止せばいいのに日本の水産庁は、捕鯨反対が主流のIWC委員会や総会が行なわれている今、彼等に当てつけて「われわれは捕鯨再開派である」との意志を表示するかのように北海道渡島半島沖で操業を開始し、27年ぶりに日本海での捕鯨を復活させた。捕獲するのはツチクジラで、水産庁は「利用可能な資源の存在が確認されている」としているらしい。

 ちなみに、国際捕鯨委員会(IWC)の第51回年次総会は、日本近海におけるミンククジラ50頭の捕獲枠要求を賛成12、反対15、棄権7で否決した。これは12年連続の否決。
 「それならば」と生息数を考慮して、南極海のミンククジラをサンクチュアリ(聖域)の適用から外すことを日本が提案したが、これも反対多数で否決された。
 捕獲枠を確保しての捕鯨再開は、特に日本近海で伝統的クジラ漁を営む和歌山、宮城などの悲願だったが、地域産業に欠かせないクジラ漁という日本側の主張は、捕鯨国VS反捕鯨国の構図の中では今回も理解は得られなかった。

 加えて日本がオブザーバーの資格取消を求めたNGO(民間活動団体)の活動に対しても、賛成9、反対22、棄権3で否決された。これは昨年12月、ニューカレドニアで鯨資源調査船「日新丸」に対し、国際環境保護団体「グリーンピース」が、スクリューに鎖をからませたり、錨にしがみつくなどの妨害行為を行なったとして日本が、これらNGOに対してオブザーバー資格を取り消すよう求めたもの。しかし、イギリスを筆頭にする反捕鯨国側が「平和的で暴力を伴なわない行動派民主主義の範ちゅう内の行為で問題はない」などと反論、あっさりと却下された。
 そしてさらに、日本が南極海と北太平洋で行っている「調査捕鯨」の自粛を求める決議案も、賛成20、反対10、棄権4で採択された。これに対して日本代表団は、日本らしいといえば日本らしいが、この決議には法的拘束力がないという事を盾に「クジラ資源調査のための捕鯨は国際捕鯨条約で認められている」と指摘し、「今後も科学的で正確なクジラ資源の情報を提供するため、調査を継続する」と、決議には従わない方針を表明した。しかし、米、英、豪、ニュージーランドなど反捕鯨11カ国は「日本の調査捕鯨で捕獲されたクジラの7割が苦しみながら死んだ。殺さずに調査する方法もあるはずだ」と批判の嵐を浴びせている。

 昨年秋からの調査では、南極海で389頭、北太平洋で100頭のミンククジラが捕獲されているが、それも非難の対象になり、国際捕鯨委員会での日本の提案は、今回もことごとく打ち砕かれた。

 そしてオマケに日本バッシングも健在で、日本が沿岸で行なっているイシイルカ漁の資源管理を徹底するよう求める決議案まで審議。やり玉に挙げられた日本側は、「小型鯨類については国際捕鯨委員会の規制対象外だ。日本自身が責任を持って資源管理し、持続可能な方法で捕鯨している。大きなお世話だ」と、怒っている、とか。

●一方、豚肉の世界で人気のある「黒豚」は、小売段階での「表示」に疑問があるとの不信感が続いていることから早ければ今夏から、黒豚表示を「バークシャー純粋種に限定する」とした表示基準を農水省は決めた。
 バークシャー種は12万5000頭ほど飼育されており、鹿児島や宮崎がそのほとんどを占める。全品種に占める割合はほんの1・8%に過ぎない。全国の小売店で「黒豚」表示されて豚肉販売されている多くは「まったくの偽表示による販売」と「雑種の黒豚(交雑黒豚)も、黒豚表示しての販売」だった。
 今後は「交雑黒豚」でも「黒豚」表示は出来なくなり、バークシャー純粋種だけが黒豚として流通販売される模様。

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其の七/目を引くティーンエイジの活躍

 おじんやおばんたちが元気喪失状態にある中、ここのところティーンエイジの活躍が極めて鮮明に目につき始めた。

 ナイジェリアで開かれたサッカーの世界ユース選手権で準優勝した20歳以下日本代表の活躍をはじめ、主将・小野伸二(浦和レッズ)の獲得に世界のサッカー界が目を光らせるという話や、プロ野球の西武松坂大輔投手の快投ぶりは、サッカーファンや野球ファンではなくても興味津々のところだ。

 そして「社会現象」になっている松坂投手人気にはおよばないものの、最近になって目を引く活躍が、演歌の星と称された藤圭子を母にもつニューヨーク生まれの宇多田ヒカルだろう。

 1983年生まれの若干16歳の彼女から溢れ出る音楽的センスとシンガーソングライターとしての才能に対しては、デビュー当初から絶賛の声があがり、「オートマティック/タイム・ウィル・テル/ムービンオン・ウイズアウト・ユー」がオリコンチャートをはじめとする各セールスチャートを12cm盤/8cm盤ダブルで上位にチャートインするという異例の記録で世間を驚愕させたのは記憶に新しい。
 そして満を持して登場したデビューアルバム「ファースト・ラヴ」は発売前日に売り切れ店が続出。オリコン初登場で1位に加え、デビューアルバム歴代最高初動得点記録やオリジナルアルバム歴代最高初動得点記録の各新記録を樹立したかと思うと、3月10日発売のこのアルバムがわずか2カ月足らずで総売上枚数524万枚を記録。これまで1位だったB’zのアルバム「B’z・ザ・ベスト/プレジャ ー」の512万枚を簡単に上回った。
 若者中心に支持された彼女の歌は、世代を問わず、さらに注目されるようになるのは時間の問題のようだ。

 ティーンエイジに負けず、頑張れオジン、オバンたち。

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■其の六/情報公開(表示)されぬままクローン牛が食用として市場流通

 奈良県畜産試験場で、受精卵の核を他の未受精卵に移して増やす技術で生まれた「受精卵クローン牛」が市場に食用として出荷された例が確認されたため、農水省は、クローン牛の肉がどのように処分されているかの実態調査を始め、今後の対応策の検討に入った。

 「受精卵クローン牛は一卵性の双子の牛を作る技術の延長線上で生まれたもので、食用にしても直接の危険性はない」とするのが農水省や試験場の説明だが、現在はまだ、受精卵クローン牛は、試験場や民間の研究機関レベルで実験的に農家に委託して飼育されている段階で、安全であろうがなかろうが、食用として市場出荷する国民的合意は得られていない。

 今回の奈良県畜産試験場からの市場出荷は、これまで同試験場で生まれた受精卵クローン牛18頭のうち7頭で、1995年から97年まで県食肉流通センターで競りにかけられた。セリの段階の口頭説明で「核移植受精卵による牛」と表現されたが、小売段階では一切、その表示はされていなかった。

 このことから、農水省家畜生産課では「こうした技術についての国民への情報公開は不可欠であり、処分の実態を調査し、対応を検討する」として都道府県の畜産試験場など約50カ所を対象に、クローン牛の肉がどのように処分されているかの実態調査を始めたとし、農水省は4月15日、同省の試験研究機関でこれまでに生まれた受精卵クローン牛80頭のうち18頭を食肉業者や肥育業者に販売、そのうち9頭が少なくとも昨年3月以降に食肉として流通していたと発表した。
 出荷していたのは奈良県畜産試験場以外では、茨城県畜産試験場が2頭、北海道農業試験場が1頭、福島県家畜改良センターが15頭。
 イギリスのクローン羊「ドリー」で知られる本格的な体細胞クローン技術で生まれた「クローン牛」はまだ食用に流れていない、と農水省では説明すると共に、高木勇樹事務次官が、情報公開はするが、今後の表示については「必要ない」との矛盾した見解も併せて示した。

 この見解ではっきりしたのは、農水省の認識では「表示」は「情報」ではなく、単なるペッタンシールの「ラベル」程度のもの、という事だったが、「これはまずい」と感じたのか、中川農水相は4月16日、先の見解を修正して受精卵クローン牛の牛肉を販売する場合にクローンであることの表示が必要かどうかについて「どういう風に情報公開したらいいか、消費者団体と早急に懇談したい」と述べ、消費者の声を聞いたうえで結論を出す方針を改めて示した。(その結論は下段の「その後」にあります)

 一般的な常識のレベルでは、消費者団体の意見をいちいち聞かずとも「どこで何頭が飼育され、何頭が処分された」というところまでを「情報」とは言わず、「どこにそれが渡り、どのような形で販売されているか」までを含めて「情報」という。また、「安全」であろうがなかろうが、このケースでは、流通・販売段階で肉の種類を「〇×産和牛」などと表示するのと同様に「核移植受精卵牛」と表示し、「買う、買わない」は消費者の判断と選択に任せるのが「常識」というものでもある。

 しかし、「黒豚」でもない豚肉に黒豚表示したり「魚沼産」でもないお米に「新潟県魚沼産こしひかり」表示して販売するという流通・小売のもうひとつの常識もあるために「表示そのものの情報が信用できない」という声が圧倒的多数。

 また、農水省が4月23日に追加発表したところによる、1990年以降から1999年3月末日までに農水省、自治体、民間企業合わせて32の試験場や研究機関で受精卵クローン牛が461頭誕生し、そのうち144頭が業者に売られ、66頭・約20トン分が食肉として市場流通し、販売の際には「和牛」表示だけで小売されていたことも新たに分かった。
 さらに、宮城、栃木、千葉各県の受精卵クローン牛4頭の乳牛では、搾乳分が牛乳として市場出荷されていた。
 試験研究機関から業者に売られた144頭のうち食肉処理された66頭以外は現在、肥育業者などが育てているという。

研究機関別による出生・出荷・食肉処理の内訳頭数
農水省の研究機関が75頭出生/19頭出荷/12頭食肉処理、自治体の研究機関が204頭出生/64頭出荷/26頭食肉処理、民間企業が182頭出生/61頭出荷/28頭食肉処理となっている。

 民間企業について同省は「影響が出ないようにするため」との理由で、企業名、所在地などは「公表しない方針」としている。

 体細胞クローン牛については今年3月末時点で、受胎している牛が59頭、これまでの出生数57頭(うち生存数35頭)であることも分かった。体細胞クローン牛は出荷されていない。

●番外の番外ニュース●
 そんな折に、北海道の雪印乳業の研究所では「牛から牛乳」ではなく「牛乳から牛」を誕生させた。
 これは、牛の出した「初乳」に含まれる体細胞=母乳中の乳腺上皮細胞=を使ったクローン技術で、世界初だとか。

 これまでの体細胞クローン牛は、体内から直接採取した体細胞をクローン胚に使っているが、母乳を用いる方法だと、牛を傷つけることなく体細胞を採取でき、優秀な雌牛の増殖が可能だという。

 妊娠したのは3頭だが1頭は流産、今回誕生したのは2頭の雌牛。

 またアメリカの科学誌『ネイチャー・バイオテクノロジー』は、マサチューセッツ州のバイオベンチャー「ジェンザイム・トランスジェニクス社」が、ヒトの遺伝子を組み込んだクローン山羊(やぎ)に、ヒトのタンパク質を含むミルクを作らせることに成功したと発表した。

 これは、薬になるタンパク質を効率的に生産するのを目的に、ヒトの遺伝子を組み込んだクローン動物を作る試みの中でできたものとか。実際にクローン動物からヒトのタンパク質を含むミルクができたのは初めてで、血液の凝固を防ぐヒトのタンパク質を含んだミルクは「飲用」ではなく「薬用」だとか。

 ヒトの遺伝子を組み込んだクローン動物としてはこの他、これまでに羊と牛が生まれている。

●その後●
 消費者団体などから出されていた「市場流通や商品化への安全基準づくり」の要望に対して農水省は5月28日、受精卵クローン牛の安全性については「問題ない」とし、「安全基準は必要なく、今後も試験場などの判断に任せて出荷を継続する」ことを表明した。また「表示」についても6月4日、「自主表示が決まった」と一部報道されたことに対して農水省は「事実無根」とし、「表示の必要はない」と強調した。

 ということは、農水省は正式な見解として、受精卵クローン牛は今後も市場流通するし、販売サイドは「和牛」と表示して販売しても何ら問題はなく、不当表示にも当たらない、ということを表明したことになる。

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■其の五/300日間、無事故無違反だと100万円プレゼント

 交通安全運動のマンネリ化を打破しようと青森県の津軽半島に位置付く人口約3200の市浦村が「300日間、無事故無違反だったら100万円プレゼント/セーフティー300事業」というユニークな施策を打ち出した。

 市浦村には県内外からの観光客が湖や遺跡巡りなどをするために訪問客も増え、それに伴ない交通死亡事故も年々、増え始めた。観光客を筆頭に村外者はプレゼント対象外だが「事故防止はまず村住民から」と、市浦村は、交通安全意識の向上キャンペーンとして、村民が主体的に交通安全活動に取り組み、行政も事故防止に努力することなどを盛り込んだ「交通安全推進に関する条例」を施行。条例の趣旨を普及させる一環として、村長の発案で今回の事業内容が固まった。

 そして、その内容は極めて異例で、日常的に車を運転する村民が会社や地域で10人以上のグループをつくって5月から来年2月まで、そのグループ全員が無事故無違反だったら100万円をプレゼントするという行政からすれば型破りのもので、村内では「中央が発想した馬鹿な地域振興券配布よりも面白い」と、活気づいている。
 しかし、多数のグループが無事故無違反の場合は「もれなく全員にプレゼント」とはいかず「抽選」で100万円を手にすることが出来る1グループを決める。

 めでたく手にすることが出来たグループが帰りに「祝杯」をあげて飲酒運転でつかまったり、事故を起こした場合、100万円没収か否かは不明。

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■其の四/ロックミュージックがトマト受粉の促進にピッタリ

 イギリスのトマト生産者協会は「ロックミュージックがトマト栽培で画期的な栽培促進効果を発揮することが分かった」とマジに発表したらしい。

 特に受粉作業をする際に、ボリュームいっぱいに上げてハードロックをトマトに聴かせると、「イェイエイ」と大乗りになったかのように受粉が促進されたという。
 最も適しているロックは、ブルース・スプリングスティーンの『ダンシング・インザ・ダーク』で、次いでビーチ・ボーイズの『グッド・バイブレーション』だとか。

 これを知ったイギリス市民は「ダセ〜ッ、古くさいトマトしかできねぇんじゃないの」といいながらトマトをかじって「おお懐かしい昔ながらのトマトの味じゃん」と言っているとか。

 日本でもリンゴ畑でいっそうのことライブでもやって、輸入自由化のウサをパァ〜っと晴らすと、効果があがるのかも知れない。しかし曲目が「リンゴ追分」では「♪津軽娘は泣いたとさ〜♪」で、気勢が上がらない?

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■其の三/省庁再編を巡るドタバタは改称で解消?

 2001年からの中央省庁再編(1府12省庁)に伴なう新省庁の名称について最終調整を進めていた政府は、異論反論で賑わっていた各省の名称を最終決定した。焦点の大蔵省は「財務省」に改称。文部省と科学技術庁は「文部科学省」に、厚生省と労働省は「厚生労働省」に、建設省・運輸省・国土庁・北海道開発庁は「国土交通省」に、総務庁・自治省・郵政省は「総務省」に、通商産業省は「経済産業省」に、環境庁は「環境省」に、総理府・沖縄開発庁・経済企画庁は「内閣府」になる。そのままは防衛庁、外務省、法務省、農林水産省、国家公安委員会。

 大蔵省については、首相が検討を依頼した有識者懇談会で「絶対に大蔵省は大蔵省だ」という意見が出され、霞が関の大蔵官僚からは「律令時代以来の伝統の名称は残すべきだ」と、改称には反対だとの意見が多数を占めていた。しかし、中央省庁再編を決めた橋本政権の主役・橋龍さんが「私の政権下で成立した中央省庁等改革基本法には『財務省』への改称が明記されている。もしも律令時代にさかのぼるなら、兵部省(ひょうぶしょう)とか、検非違使(けびいし)とかもある」と皮肉を交えて鼻息も荒く反撃するという経緯もあったとか。

 小渕首相は、プライドの高い橋龍さんにヘソを曲げられたくないようで「協議した結果、大蔵省の名称を残せば野党が反発し、中央省庁再編関連法案の審議に影響が出る」などとして「財務省」で決着させ、公表の前に、首相官邸で橋龍前首相と会談し、大蔵省を「財務省」とすることを伝えた模様だ。「名前さえ替えれば省庁再編も官僚たちの意識改革もタテマエでは済んだも同然。本音の部分では、財政・金融の完全分離もせず昔と同じなんだから、あとは野となれ山となれで俺たちの知ったことじゃないさ」と言ったかどうかは定かではない。

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■其の二/過疎化や地域振興対策に群がる「怪しい人たち」。

 「何とか地域コンサルタント」とか「〇×地域研究所」などと銘打って、地域振興や過疎対策の助成金目当てに「詐欺師」と似たような「講演活動」や「営業活動」する怪しい組織やヤカラは過去から吐いて捨てるほどいるが、最近は、新たな切り口で地域にコンタクトを取り、おいしい汁を吸い始める連中が注目を集め始めている模様だ。
 その中には、某県知事にインターネットで接触してメールフレンドになり、情報化推進の旗振り役として県に迎え入れられ、知事推薦の優秀なIターンの人材と冠され補助事業に参画しながら注目されていた人物が、実は常習的に覚せい剤にセッセと手を伸ばしていたという話もある。

 これは、東京に住むある夫婦の妻が「町おこしを手伝いたい」とする電子メールを某県知事に出し、過疎化が進んでいる町を紹介されたのを受け、夫婦や仲間とともにその町に移住。IネットでIターンし、県が斡旋した廃校に住みながら県の地域情報化推進事業に積極的に関与し、町が進めている地域情報化構想(コンピューター情報網によって過疎を打開しようという国や県の補助を導入した一大プロジェクト事業)の柱の役割を担う、というものだが、居住使用して事務所にもなっていた廃校は、実は覚せい剤の巣窟で、中心人物は覚せい剤使用の常習犯だったというもの。

 地域情報化構想は、高齢、過疎化が進むなかで「住民」と「役場」と「在宅介護支援センター」をコンピューターで結び、日常生活から健康管理までを担うのが狙いで、大手企業からの協力申し出も続いていた。

 ところが、「覚せい剤が使われている」と、電子メールならぬ昔からの「口コミ」という最も古典的な伝達で町民の間から「ウワサ話」が出始め、広がった。それを受けて警察署と県警本部、組織犯罪対策室などが内偵。よくよく調べてみると、これまでも覚せい剤使用など複数の逮捕歴があることが判明。家宅捜索した結果、覚せい剤を発見し、中心人物を指名手配した。

 町長が「県からの紹介もあり、立派な人格者で優秀な技術者と信じていた。裏切られた気持ちだ」とショックを表明すると、知事もまた「地域の皆さまのお気持ちを考えると誠に残念で、深くおわびします。プライバシー調査が十分だったかどうかなど、ネット社会の陰の部分として十分反省しなければならない」とコメントを出した。

 地域振興の第一歩は地域住民の中からの人材発掘や人づくりから。これが地域づくりの鉄則だ。しかし現実には、怪しいヤカラにだまされるケースがまだまだ多発するのが「懲りない俗世」のようだ。

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■其の一/都知事・石原慎太郎語録&巷の声

石原慎太郎語録
副知事について(当選直後)
「とにかく厄介なことはみな副知事にやってもらおうと思っている。落選した他候補を副知事にという声もあるが、あの人たちの中に副知事にしたいと思う人はいない。副知事にしてもいいと思う人がいれば、私は立候補せずに済んだ」

都政(当選直後)
「国もだが都も貸借対照表がない。調べてもバリヤが張られていて一向に分からないようになっている。手の内に何があるのか分からなくてポーカーはできない。肩怒らしてやるつもりはないが、財政再建のために客観的な状況把握が必要で、具体的には外部監査チームを新たにつくる。そして、都の財政状況が一目で分かるように歳入、歳出や財産、負債などをすべて網羅したバランスシート(貸借対照表)を作成して公開する。都が出資している第三セクターや外郭団体も外部監査の対象に含め、結果次第では廃止も視野に入れて検討する。そのためには、徹底的に議論もするし、また、議論の中でしかものは生まれてこないと思っている」

横田基地について(当選直後)
「基地返還を言っているのは誤解覚悟のうえ。多分、返還なんか出来ないでしょう。だけど日米共同使用までは出来ない話じゃない。半分日本が使って半分アメリカが使ったらいい。日米安保を否定するわけじゃないが、極端なアメリカ信仰はもうそろそろ反省したほうがいい」

中国政府について(当選直後)
「チベットでの非人間的施策は承服できない。都と北京の友好都市はけっこうだが『武力で台湾を開放することもあり得る』と最高責任者が明言しているのは日本、アジアにとって迷惑で恐ろしい姿勢だ。私の発言や行動についても、都知事として必要があればどこへでも行くし、議論もする。それを外国から制約されるいわれはない」

ブレーン起用(都庁に登庁後)
「私にはブレーンとしての切り札がたくさんある。起用した浜渦特別秘書や鈴木参与もそのひとり。都庁にも人材はあるし、外部にもいる。議会の方はお分かりではないようだが、そういう人たちを交配することで、都政への効果もあがる」

環境問題(都庁に登庁後)
「エベレストには各国の登山家が捨てたボンベの山。太平洋のど真ん中の浅瀬には原住民が捨てた空き缶が散乱。地球全体の汚染が進むなか、生活環境の悪化はトレードオフ(妥協のための取り引き)では済まないところまできてしまった。ことは突き詰めた文明論の問題。また東京都の環境に関して言えば、都民は被害者であると共にれっきとした加害者だ」

発想&発言(会合の席で)
「お台場にカジノをつくりたい」
「尖閣諸島はこのままでは中国に取られてしまう。国会議員がしっかりしないといけない」

公約に掲げた中小企業向けの債券市場構想について(7月記者会見の席で)
「就任2、3カ月で皮肉な現象が起きた。以前は銀行が貸し渋りしていたがこのところ風向きが変わり、政府の資金をもらって金がだぶついて貸したくなっている。銀行融資の方が債券市場より資金を得るためのコストが安くなる可能性がある。中小企業が助かればいいので、銀行融資を活用したらいい」
「景気変動に備える必要があり、債券市場は中小企業のためになると思うが、構想の前提となるデータベースもない。年内実現を目指すが、大みそかになってもそう言っているかも」
 中小企業向け債券市場=金融機関が中小企業に行なった融資の債権をまとめて証券化するもので、99年度に第1回債券(約700億円)を発行した。2000年度の債券発行では、資金回収などのリスクに応じて利率の異なる3種類の債券を発行する。今後、多彩な条件の債券を出すことで中小企業の資金調達を容易にし、本格的な市場形成をめざす、としている。

首都移転について(99年10月、テレビの報道番組出演時および梶山静六主催の勉強会での講演時)
「首都が移転したら知事を辞めて焼身自殺だ」「移転反対は東京の利益誘導ではない。このままでは日本は没落する」

破たんした東京都内3信用組合処理費用を大蔵省・金融監督庁が東京都に財政支援を求めている問題(記者会見の席で)
「都財政が悪化している状況の中で、できの悪い金融機関に都の税金からこれ以上手助けするつもりは毛頭ない。だめなものはだめ!」

小説家としての仕事は
(知事就任の際)
「創作はしばらく無理。恋人と別れるような思いだ」
(その後、文学賞の選考委員としての会見で)
「やはり、隠れて会うかも」
(99年12月、短編を書いて後)
「やはり、モノを書かないと落ち着かない」

大手銀行への外形標準課税に関して
(発表の際)
「大手銀行は本業で十分に儲けておりながらも不良債権処理によって納税を免れている。10兆円を超える多額の公的資金も投入されて、金融システム安定化の恩恵に浴している銀行業こそ、率先して行政サービスの対価を払うべきだし、銀行の利益が政治献金などでがっぽり持っていかれる前に、課税して何が悪い」
(「唐突すぎる」との銀行協会の反応に対して)
「企(き)をはかるには密をもってする、というのが鉄則」
(自画自賛の弁)
「東京が名乗りを上げなかったら10年や15年は外形標準課税問題は動かなかったよ。これで少しは地方の存在感が出てきたと思うが、そのうち地方主権の時代が進んでいけば自治省もなくなっていくのではないか」

ダライ・ラマ14世の来日をめぐり、中国政府が入国を許可しないよう日本政府に求めたことについて
「そういうことを干渉することが厚かましい。あれを入れるな、これを入れるなとか、ばかなことを言ってくるな。何様かと思うね」

中国について(ドイツの週刊誌『シュピーゲル』のインタビューで)
「中国が核兵器使用も視野に台湾の武力併合を検討していることは最も脅威だ。巨大帝国である中国がいくつかの小国に分裂すればよい。日本はそうした展開を力いっぱい促すべきだ」

陸上自衛隊練馬駐屯地の「創隊記念式典」での挨拶で
「こんにちの日本を眺めると、私たちのうちに、自分たちが属する伝統のある、力のあるこの日本という国家社会に対する意識が、どれほどあるかなという疑念がわいてまいります。白人にとってみると、日本人だけが有色人種の中で唯一見事な近代国家を作ったということそのものが、意に沿わない事実だったのでありましょう。ゆえに、このへんを非常に危険視したアメリカは、あのいびつな憲法に象徴されるようにこの日本の解体を図って、残念ながらその結果が今日露呈されていることをだれも否めないと思います」
「今日の東京をみますと、不法入国した多くの三国人、外国人が非常に凶悪な犯罪を繰り返している。もはや東京の犯罪の形は過去と違ってきた。こういう状況で、すごく大きな災害が起きた時には大きな大きな騒じょう事件すら想定される、そういう現状であります。こういうことに対処するためには警察の力をもっても限りがある。だからこそ、そういう時に皆さんに出動願って、災害の救急だけではなしに、やはり治安の維持も皆さんの大きな目的として遂行して頂きたい」
「9月3日に陸海空の3軍を使って、東京を防衛する、災害を防止する、災害を救急する、敗戦後日本で初めての、市民のための、都民のための、国民のための大きな演習が繰り広げられますが、そこで、国家の軍隊、国家にとっての軍隊の意義というものを、価値というものを、皆さんは何としても中核の第1師団として、国民に都民にしっかりと示して頂きたい」
(この発言で噴出した謝罪要求や辞任要求に対して)
「なんで辞任しないといけないのか。私のどこに非があるのか。だれに謝罪するのか。私は謝罪でなく説明をします」
「都政の最高責任者として、あしき事例を想定するのが私の責任だ。騒じょう事件を想定することがなぜいけないのか。その可能性に言及することや治安出動について発言することが抑止力になる」
「東京には凶悪な犯罪を起こしている外国人がたくさんいる。歌舞伎町に行ってごらんよ。ヤクザだって怖くて歩けない」
(三国人という言葉の解釈)
「私の使っている三省堂の大辞林では『三国人』『第三国人』の『三国』なるものは当事国以外の国、つまり戦争とか国際交渉、それに関係している相手国以外の直接関係を持たぬ国、つまり外国とされてます。それから、『第三国人』という項目では、1は当事国以外の国の人、次は第二次大戦前及び大戦中、日本の統治下にあった諸国の国民のうち、日本国内に居住した人々の俗称。『べっ称』とは書いていない。『俗称』と書いている。敗戦後の一時期、主として台湾出身の中国人や朝鮮人を指していたと書いてありますが、私は第一義の意味で外国人として使った」
「今日における不法入国、これは不法入国だけじゃなしに、入国したあと不法に滞在している外国人も含めて言ったんで、その点では言葉が足りなかったかもしれないが、例の蛇頭、スネークヘッドのようなグループにお金を払って、不法に入ってきている中国人、あるいは他の国籍を持っていて当然日本から退去しなくちゃいけないのに、不法に滞在している外国人を含めて私は言った」
「私は、不法に滞在している、入国している外国人は、非常に厄介な存在と思うけど、ずっと在日でいた朝鮮の人や韓国の人を不法入国したと思ってませんよ」
(一部の報道機関が「不法入国した多くの三国人、外国人・・・」の前段箇所をカットして「三国人、外国人・・・」として発言内容を報じた件に関して)
「この前段がきちっと報道されれば、私が言った『三国人』というのが、ずっと日本にいる韓国人や朝鮮人を指したと受け取られるわけはないのに、その説明がカットされて、非常に悪い印象与え、誤解され、『一犬虚をほえて万犬虚にほえる』みたいになった。前段が、聞こえなかったか、意識的にカットしたか、そこつだったか知らんけど、やはりね、新聞記者が扱っているのは天下の公器、メディアというのはパブリックなもの。このへんで皆冷静になって、言葉の問題というなら言葉ってものを大事にして、認識してもらいたい」
(世間の風あたりに閉口して遺憾の意)
「不法入国した外国人のことを、不法入国した三国人と表現しました。このことが在日韓国・朝鮮人をはじめとする一般の外国人の皆さんの心を不用意に傷つけたとしたら、それは私の本意ではなく、遺憾です。一般の外国人の皆さんの心を傷つけるつもりはないので、今後は、その言葉を一切使わぬように致します」
(「謝罪と受け取っていいのか」との質問に対して)
「それは受け取りようで、私はあくまで遺憾の意を表明しただけだ。私にとっても心外な出来事だった」

原発について(4月26日の日本原子力産業会議の年次大会で)
「どこかの新聞が『また知事がバカなことを言った』と書くかもしれないが、完ぺきな管理が行なわれれば、東京湾に原発をつくってもいい。日本にはそれだけの管理能力があると思うし、技術もあるし、首都としてエネルギー問題は重要だ」

中国と台湾の関係について(5月20日の台湾での陳水扁新総統の就任式に出席後)
「ひとつの中国とひとつの台湾でいいじゃないか。ドイツやオーストリアを強引に束ねたのはヒトラー。もし仮に江沢民が戦争の引き金を引いて台湾を合併したら中国のヒトラーだ」

2003年度から予定しているディーゼル車の排ガス規制強化に対して、バスやトラック業界などの不満が強いことについて
「やる前から反対するのは世の常。良いことをやるんだから批判の声は無視する」「どれだけ経済負担があるか、やってみないとわからない。今まで行政はそんなことばかり気にしてきたが、補償や助成はやりだしたらきりがない」

憲法について改憲論者石原慎太郎、かく語りき(2000年11月30日の衆院憲法調査会で参考人として意見陳述した際)
「私は文学者ですから、憲法の前文は文章として許すわけにいかない。致命的な日本語の乱れがある。醜悪な日本語だ」「アメリカに制約を受けた憲法起草の経緯には、歴史的な正統性がない」「私たちの望んだ憲法ではないということを国会全体で認め、歴史的に否定してほし」「内閣不信任案と同じように過半数あれば問題ない。国民も納得する意思表示だと思う」「自衛隊を憲法で認めるよう改正すべきだ」

巷の声
★「東京湾に原発を」は昔から反原発の主張。ほんと、安全だというのなら、人口密集の東京に原発を!絶対につくれ!!つくってみろ〜!!!
★「
大手銀行への外形標準課税の案は起死回生、見事な一手で、慎太郎オヌシやるなって感じだったが、三国人発言では黒星ひとつだなあ」
★「大手銀行への外形標準課税の案は起死回生、見事な一手で、慎太郎オヌシやるなって感じで金星だな」
★「青島よりは格段マシだが、具体的な政策手腕が見えてこないねえ。ただ口ばっかの野郎かよ」
★「東大閥に対抗するかのように一橋ブレーンの結集が、選挙では効を奏した一面もあったようだが、都政も一橋ブレーンを抱え込んで学閥的ショービニズム=同窓会的排他民族主義でやるんだろうかね。庶民感覚とのズレは永遠に続くね」
★「東京から始める教育のヌーベルバーグのためにって、慎太郎が機知に富む知識人、芸術家、学者の知恵を借りたいっていってるらしいが、まずそういう旧態依然とした化石のような発想をする本人が、考え方の転換教育を受ける必要があるでしょ」
★「鳩山に青島が応援したから鳩山票が減り、それが慎太郎票に一気に流れた。なのに青島は『私が出たら勝てた』と言った。『人間万事さいおうが馬』だか『丙馬』だかを書いた小説家とは思えない」
★「青島が直木賞作家で慎太郎が芥川賞作家。今度は、リタイヤした青島が都政の中で屈折した心情を描写して芥川賞を狙って小説を書き、当選した慎太郎が遊び感覚で都政を軽快に皮肉って描写する小説を書いて直木賞を狙えばいいんじゃない」

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